除夜の鐘に乗せて
楡崎瞬
神社の境内に焚かれた篝火の奥に
透き通るような白色をした君を見つけた
あれから何年が経ったのだろう
君に会うことが適わなくなってから
幾つの冬を越えてきたのだろう
除夜の鐘に乗って
淡々と歩を進めていく君の隣で
いま笑っているのは僕ではない
けれど僕の隣に存在する女性も
君であるわけではない
幾つの冬を越えてきたのだろう
どこですれ違ってしまったのだろう
二人の道はもう同じベクトルを向くことはないのに
心のどこかで期待してしまう
透き通るような白い肌の内側で
君は幸せでいるのだろうか
僕は幸せだよ
不思議ね
あの頃はたった5メートルくらいの距離なんか
すぐに埋められたのに
不思議ね
その5メートルの距離を埋められずに
僕たちの道は別れたのだよね
この除夜の鐘が鳴り終わる頃
また新しい第一歩を踏み出すことになる
君の幸せを永久に祈るよ
この除夜の鐘に乗せて